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2024/05/20 00:37 |
帰ると戻るのニュアンスの違いと書類問題及びガス代の衝撃
さて、ものすごく久々にこの日記、というべきではもはやないものを更新している。外は雪だ。見たところ、まだ10センチまではつもってないと思う。多分。

あいかわらずボローニャは寒い。先ほどテレビのニュースでエミリア・ロマーニャの雪害について話していたし、天気予報によれば明日も上が2℃で下が−3℃とかいう話だ。同じ地方のラヴェンナが4℃/0℃なのを見て、あったかいなー、明日ラヴェンナ行けばいいんじゃね? とか思ってしまう勢いである。全然あったかくない。4℃なんざ全然あったかくない。その温度から雪って降るから。気づけよ。

というわけで私はボローニャに戻ってきた。何が「というわけで」なんですか、むしろ戻ってきたってどういうことですかそれ、どっか行ってたんですか、くらいの疑問がわく感じで日記を書いていないので、一応説明しておくと、1/13の昼前にボローニャを発って、1/14の昼に日本に着いて、1/25の昼過ぎに日本を発って、1/25の夜中にボローニャに戻ってきたのだ。

この日本滞在の短さでは、うっかり「イタリアに帰国」とか言ってしまいかねない、というかホントに言ってしまい、おじいちゃんを困惑させた。孫は別にイタリア人になったわけではないのだ、わが愛する祖父よ。日本に帰国したのであって、イタリアには戻るのである。こういうときにぴったりくる単語が日本語にないのが口惜しい。「戻国」とか言わないもんな。

まあ、そのようなわけで私は昨日の夜中にボローニャの家に戻ったのであり、戻ってみたら同居人がいなかったので暖房が全部切れていて非常に寒かったのであり(別に同居人を責めているのではない、むしろガス代的に正しい判断だ)、慌てて暖房をつけたところでなかなか暖かくなるものでもなく、本気でしばらく凍えていて、荷物とか開ける気にもならないっていう事態に陥り、そのまま布団をひっかぶったのであった。

しかし、ここで布団をひっかぶっただけで、寝なかった自分を褒めたいと思う。むしろ勲章ものである。よくお前昨日の夜中頑張った。あのときもしあのまま寝てたら、今日本気でエラいことになってた。なんで寝なかったことが正解だったのか、その話の発端は私が日本へと発つ前の1月頭へとさかのぼる。

1月頭、ボローニャ大学の留学生課の主、とも言うべき女史、Bettoliさんからメールが来た。この人には留学前から色々世話になっている。大学の受け入れ承諾書の件での、メールが届いてなかった事件の当事者でもある。まあ、ぶっちゃけ、彼女のメディアリテラシーが若干低めだったために、メールがどうも受信箱以外の場所に行きっぱなしだったらしい……というのはおいておいて、今回の件だ。

このとき来たメールというのは、政府奨学金の受け取りのために必要な書類を送らなければならない、という決まりに関しての質問であった。彼女は、10月に「書類送らなきゃいけないんだけど」と相談しにいったとき「それ1月でいいから!」と言って綺麗に私を追い払ってくれたのだが、そのことをちゃんと覚えていたのだ。素晴らしい対応である。1月入ったしそろそろ言いに行かなきゃな、とか思ってたのに、向こうが言う前からメールしてくれるってどんだけ対応いいかって話だ。もともと私はこのBettoliさんが大好きなのだが(でもいつもちょっと怖い)、余計好きになった。

そして次の日あたり、同じく政府奨学生でボローニャに来ているM.A.さん(救急車呼んでくれたMさんとは別人のため、この表記とする)に相談した結果、 Bettoliさんの質問につつがなく答えつつ、「ぜひその書類を送りたい、というか送らなきゃならないんだけど、それって貴女のところに行って書類もらって自分で送る感じ? それともそっちで全部やってくれる的な?」という日本語だったらニュアンス的にどうにでもできそうだが、イタリア語だと非常に表現しにくい質問をした。

これに彼女が返してきてくれた1/9のメール、それが問題だった。いや、メール自体が問題なのではない、それを読んだ私のイタリア語力が問題だった。彼女のメールを見た私は、「あ、Bettoliさんが全部やってくれたんだ、じゃあほっといていいんだ」と思い込んだ。これは半分正解で、半分ミスである。なぜなら彼女は、送るべき書類2つうち、1つをすでに送ってくれた、という連絡をくれたのであり、同時にもうひとつの書類を先生からもらってこい、と言っていたのだ。

この勘違いを引きずったまま、1/12に先生の家に夕食に呼ばれて行った私は、そこで大きめのミスを犯す。Bettoliさんから書類のことを聞いていた先生が、私に「この書類をお前は持っていく必要があるのではないのか」というようなことを言った。もちろんあやふやな聞きとりだ。それに対して私は、「Bettoliさんがもう送ってくれた」と答えてしまった。よく考えてみると、先生の署名の入った書類なんだから先生が書いてないのにBettoliさんが送れるわけがない。なのになぜか先生も納得していた。どういう解釈がなされたのかわからないが、とにかくそういう残念ミスがそこでおこなわれた。

そして、その状態で次の日、13日の朝に家を出て、昼前の便で日本に向かってしまい、昨日の夜中までボローニャに戻らなかったわけである。

ここで話は昨日の夜中に戻る。イタリアの携帯をボローニャにおいてきていた私は、何か連絡が入っていないかとそれの電源を入れた。が、当然のごとく電池切れである。しかたなく、しばらく充電機につないで電源が入るようになるまで待った。ここでちゃんと待って、寝なかったことは評価に値する。ホントに。

改めて電源を入れると、1件のメッセージがあります、とのことだ。どうやら留守電が入っているらしい。24日のものだ。聞いてみると、Bettoliさんからだった。内容を要約すると、「もう私メチャクチャ待ったけどあの書類あんたいつになったら持ってくんの?! もうあんた持ってるんでしょ、早く持ってらっしゃい! 明日の朝来なさい明日の朝!」となる。

いやあ慌てたね。慌てざるを得なかったね。Bettoliさんごめんなさい! という気持ちで一杯っていうかとにかく何とかしないと、ということで、夜中のうちに先生宛に「すみませんこないだマジ間違えたんであの書類書いて下さいほんとゴメンナサイ」という内容(もちろんもっと丁寧だ)のメールを送り、時差のせいで冴える目を無理矢理つぶって就寝。目覚めたのは今日の朝8時ごろだ。

起きてすぐメールチェックをしたが、先生からの返事は来ていない。一応ちょっと遅めの方がいいかな、ということで9時前に先生の携帯に電話を入れると、幸いまだボローニャにいた。何せ1月末から日本に行く、と話していたのでここで捕まらなかったらアウトだ。もう数日遅かったらすでに日本である。危ない橋を渡りすぎだ。

先生に昨日の夜中にメール書いたんですけど、と言ったらば、まさかの「PCぶっ壊れた」宣言。大丈夫なんですか先生、もうすぐ日本に出張ですよね? という気持ちを抑えつつ事情を説明する。寛大な先生は「よし、じゃあ今日の午後4時に私の研究室に来なさい、書いてやる」とおっしゃった。コレで一安心だ。次に私はBettoliさん宛にメールを書いた。「ホントマジすいませんごめんなさい貴女のメール読み間違ってました、しかも13日〜25日日本にいました!!! でも先生午後に書類くれるっていうからその足で貴女のとこに顔出していいっスかね?」ってなもんである。これで何とかなるだろう、ということで、やっと昨日持って帰ってきたカバンを開けて片付けを始めたところでBettoliさんから電話である。

「ちょっとあんたなんで昨日来なかったの! ていうかなんでずっと来なかったの!」

ああー、メール読んでくれてないんですね。そうですよね、多分オフィスに着いてまず最初に私に電話! くらいの勢いですよね。何とか彼女を遮って、「今朝、貴女宛にメール書きました!」と訴えたら「あらまだ読んでないわちょっと待ちなさい、えーと」と、私のメールを声に出して読み上げる彼女。読み上げながら、「ああー……、なるほどー……」と呟いて、次に彼女はこう言った。

「あんたの先生、午前中はどうしてんの?! なんで午後なのよ!」

すいません知りません。だって先生が午後って言うんだからそこは午後なのねハイ、って思うとこですよ! 午前じゃダメかとか言えないでしょそれは! イタリア人なら言えるのか? いや、学生は言えないと思うんだよそこはさあ! という気持ちをこめて「わかんない、とにかく午後って言われた」と訴えると、すかさず彼女はまた口を開く。

「あんたの先生の携帯の番号教えなさい! 私が直接話すから!」

……強い。強いよBettoliさん。そうだねその方が話がはやいよね。じゃあメールで今送ります、って言ったらオッケー、ってことで電話は切れた。そして即、メールを書く私。また片付けに戻り、早めの朝昼兼用ご飯を食べてしばらくしたところで受信箱見たら、Bettoliさんより

「今日先生が直で私のとこに書類持ってきてくれるからもういいわ、じゃあね」

というメールが届いていた。ああ、話つけてくれたんですね。ていうか午前でも大丈夫だったんですね。てことは私、4時に先生のとこ行かなくていいってことだよね、と思って一応先生に電話で確認したらそれでオッケーだった。次に会うのは2/23だそうだ。先生の出張の方が私の帰国より長いよ。それにしても出発前にいろいろ煩わせてまことに申し訳ない。

と、そんなこんなで何とか書類問題は解決した。

さて、これが解決したおかげで、16時にSさんが家に来る話がまとまる。Sさんに頼まれていた本と、お土産の博多ラーメン(彼女は博多の“じょうもんさん”である)を渡そうと思い、連絡していたのだ。大家さんも仕事のあとで来るはずだが、まあちょっと時間かぶっても問題ないだろう、と判断した。前にKさんもうちの大家さんには遭遇してるし。とはいえ、実際は全然かぶらなかったのだが。

Sさんとの携帯のSMSでのやりとりののち、近所に買い物に出かけた。雪が降り出していたので、中央まで行く気に全くならなかったのである。野菜とサルシッチャ・ルガニーガ(生の腸詰めの細いやつ)、生パスタとちょっとした菓子とチーズ類、トマトソースなどを買って一旦帰宅。その後、大家さんに渡す今月の家賃を引き出しにBancomatへ。帰りついでに郵便箱をチェックしたら、結構いろいろ手紙が来ていて、その中にガスの請求書があった。これがあとでなかなかの衝撃を呼び起こすことになる。

3時半くらいに来た大家さんは、長い毛皮のコートだった。あったかそうで羨ましい限りだ。彼女に家賃と彼女宛の手紙(家の名義変更をしていないので、彼女宛の手紙が来るのだ)を渡したところ、ガス会社からのものがあったので、その場でびりびり封筒を破って中身を見せてくれた。2ヶ月分のガス代の請求書である。なかなかの衝撃だった。343ユーロである。2人だから÷2で171ユーロちょっと、2ヶ月分だからまた÷2でひと月に85とちょっとの計算。リスカルダメントのせいとはいえ、やはり結構ズシンと来る値段だ。2月頭に大家さんが回収に来るので、それまでに準備せねばならない。

大家さんが帰って少しして、Sさんが家に来た。緑茶を飲みながらちょっとだけ話してお別れ。このあとSさんは映画を観に行った。何でも、映像の未来を感じさせる映画を上映する、というフェスティバルをやるのだとか。日本の映画も来ているそうだ。誘われたが、どうもまだ体力的に回復していない感じなので、やめておいた。

どうでもいいが今、書いてる最中に寝落ちした。このあとやったことは、洗濯と夕飯と読書だけだったので、そろそろこのへんで終わりにしておく。フランス旅行記の続きはまた別の日に。


追記:目が冴えたので何となく別の書こうかなと思ったついでにこれを読みなおしていたら、寝落ちしたところ(2カ所)で見事に文章がすっ飛んでいた。キングクリムゾン発動。あんまりだなと思ったのでなおしておく。気づいても心の中にしまっておいて下さい。

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2010/01/26 00:00 | Comments(2) | TrackBack() | a Bologna

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コメント

こんにちは。オレンジなダウンのみかん娘oです。すいません。勝手に来ちゃいました。

余計なお世話ですが、ガス代は普通、こちらからメーターを読んで連絡しないと、こんぐらい使たんちゃうん?という、実際よりかなり多めの予測消費量で請求書を送って来ます。一年後でもこんな数字行くわけあるか、ぼけ!と言いたくなるぐらい、請求書に載ってる予測の数字と実際のメーターがかけ離れている場合、電話して説明すれば、正しい数字に基づいた請求書を再度送ってくれますよ。
その他にも、分割払いにしたり、千のオプションが存在します。老婆心ながら。

兜甲児のショックから覚めやらず、衝撃!体験をその後も続けていますが、むしろ主役はあしゅら男爵のようです。走り続けるナレーターかもしれない、という意見もあります。
posted by o at 2010/02/04 09:53 [ コメントを修正する ]
詳しくありがとうございます!
しかし、我が家のガスメーターは今のところ一体どこにあるのか不明であり、しかも大家さん宛に請求書が来て、それを大家さんが来たときに一緒に見て、さらに同居人と半分こして払う、という複雑な支払い形態をとっているため、ガス代の確認及び請求には若干の問題がありそうです。
とういうわけでこの家に住んでいる間はとりあえず、甘んじてこのガス代払っとくかなあ、と思っております。夏以降、家変わるかもなので、そのときまた考えます……
しかし兜甲児はすごかったですね。私は帰国したらうっかりDVD全巻購入とかしそうなくらいテンションが上がりました。あのナレーターのヒートアップぶりには感動せざるを得ません。
posted by Mutsukick at 2010/02/11 22:44 [ コメントを修正する ]

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