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2024/05/20 00:05 |
中学受験と友人を思い出さずにいられない2月初日
2月1日といってやはり一番最初に思い出すのは中学受験である。なにせ自分も中学受験をしたクチだし、大学に入ってからは中学受験生を塾で個人指導していた。ボローニャ来る直前まで塾の先生をやっていたのだから、これはどうしても思い出してしまう。うちの塾の今年の戦績はどうだったんだろうか。そして中学受験を思い出すとともに頭の中に描かれるのは、中学からの友人Uの顔である。2月1日生まれの締まり屋の友は元気に年を重ねただろうか。当日おめでとうメールし忘れたけど。

まあそんな2月1日、この日は第二期の講義の初日だった。これは楽しみにしていた現代美術史の講義で、モダンからコンテンポラリーまでカバーするものだ。11月から受けていたものとはまた違う。校舎自体も違う場所にあり、ちょっとドキドキしながら講義室に向かった。

まず一言。講義室がでかい。150人収容の部屋、これいつから建ってるんでしょう。石造りの立派な建物で、壁にところどころ古いフレスコ画が残っている。こんどちゃんと年代確認しよう。天井も高めなので、声が響くのはいいんだが、ちょっと反響するからレコーダーで録音しにくい。そしてそんな教室にあふれる学生。後ろの方いたら絶対講義聞こえねえっていう危機感からかみんな前から詰めてくる。教壇の周囲の地べたに自主的に座る者たちも多数。この寒いのに地面座んの自殺行為だと思う。前から2列目真ん中を陣取ってみたが、これは次回から1列目座った方が良さそうだ。何せ正面右端に明らかに不安を呼ぶ一品がある。

そう、このでかい部屋の一番前、教壇横にイーゼルみたいなもんで立ってる謎の巨大レポート用紙。巨大レポート用紙、っていうか模造紙サイズの紙をレポート用紙みたいにしてあるっていうか……A1サイズくらいの方眼の白い紙がドーンとおいてあるわけだが、こんなもんに字でも書かれようもんなら私の視力ではコンタクト入ってても4列目あたりから視認が怪しい。アレ1枚に一文字ならよかろうが、それはあり得ないだろう。1枚に一文字書いてそのへんの学生が1枚ずつ持って文章作るとか、そんな愉快なことがあってたまるか。おいてあるからには多分書いて使うんだろうが、せめて大きめの字でお願いします、と言うしかない。あと読みやすいブロック体でお願いしたいところだが、それはまあ望めないだろう。

さて、しばらくして講義室に堂々たるおばさんとおばあさんの間の女性が現れた。結構な恰幅の良さだが、彼女はお洒落である。系統としてはヨウジヤマモトみたいな感じ、でも多分、その系統の違うブランドだ。はっきりした暖色と黒のとりあわせが好きっぽい。現代美術を教える者としては非常にわかりやすいというか、感じでてるというか、そういう人。ボルゴジェッリ先生である。大学のサイトの写真が若すぎるんじゃないか、という疑問が心に浮かんだが、それにはそっとフタをしておく。若い頃の彼女は、かなりの美人だったと思われる。今もなかなかの迫力だ。

さらにボルゴジェッリ先生の後ろに5名ほどの研究者らしき男女が続く。これまたいろんなのが入り交じってる服装だ。心に残ったのはアメリカンな革ジャンで髪おったててる女性である。賭けてもいい。この人、絶対モダンじゃなくてコンテンポラリーやってる。それもかなり現代。戦後。と見た目で力いっぱい判断してしまった。ちなみにあとで正解だとわかった。

教壇を横いっぱいに使って全員が座り終えたところで11時10分。ボルゴジェッリ先生、「まだ5分あるわね」と呟く。この講義は11時からなので、まあ、つまりは11時15分から始まる。『アカデミックな15分』というやつだ。我らがG大では、K先生が実践しておられたイメージがある。ていうか言ってたし。「15分遅く始めて早めに終わるのがスタンダード」って。日本の大学では間違いなくスタンダードではないが、K先生はウイーン基準なのでそれでよし。おかげでイタリアで講義受けてもいつも通りな気分ですK先生。

と、まあそこから5分、ざわざわした時間が流れた。15分きっかり、ボルゴジェッリ先生がマイクをとる。話し始める彼女の声は、気持ちよくつぶれている。低く押し出しの強い声。渋い。彼女にはよく似合っている。しかし個人的に最も聞き取りにくい類の声である。それがこれまた素晴らしいスピードで話してくれるものだから、当然ついていけない。これはレコーダーの遅聞き機能が大活躍しそうだ。大活躍してもわかるか保証なし。敗北感。

彼女はこの講義の概要を語り、途中ちょっと未来派に熱くなった。1時間ほど彼女のオン・ステージが続いて、それから周囲の若手の方達(といっても若くない方もいた)にマイクをバトンタッチ。一人ずつ、自分の専門とそのあたりについてかいつまんだ話をする。一人10〜15分くらいだったろうか。講義は、ボルゴジェッリ先生が基本の流れを解説し、まわりの研究者たちが自分のテーマでちょっと掘り下げた内容を説明してくれる、という形になるようだ。面白そう。ちなみにこのとき、革ジャンの女性は現代のビデオ・アート専門であったことが判明。アメリカ方面のようだ。実にわかりやすい!

と、そんな感じで講義と先生の紹介のような内容の初日は終わり、懸念された模造紙レポート用紙に文字が書かれることはなかった。明日からの問題なのだろう。引き上げるとき、一応聴講してもいいか先生に聞いておいた。勿論オッケーだそうだ。よかった。もうちょっと内容近づいてきたら今度ricevimentoの時に会いにいってみよう。

で、講義後、歩いてマッジョーレ広場まで出てバスで帰る。このへんちゃんと歩いたの始めてかも知れない。なかなか風情のあるよいところだ。このへん住みたい。

自宅について、昼を用意して食べたら、なんだかつかれてしまった。やっぱりまだちょっと体調戻ってないかもしれない。少し寝て、起きて、洗濯して、本読んで、夕飯食べて、寝た。


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2010/02/01 00:00 | Comments(0) | TrackBack() | a Bologna

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