忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/05/20 00:22 |
パリ一泊 強行突破の珍道中 その1
強行突破、というタイトルを書いてみて思ったが、特に何も突破していない。言葉の壁とか突破できたらよかったんだが、私の知っているフランス語は「Bonjour」「Je m'appelle 〜」「Bonsoir」「Au revoir」の4つくらいなので、せいぜいが挨拶しかできないわけだ。辞書があれば何となく何書いてあるかはわかるのだが、発音できない。だってフランス語書いてある通りに読まないし、書いてある音読まないじゃないか。

そんなわけで何も突破はしていないが、スケジュールが強行だったことは否めない。否めないっていうか間違いなく強行スケジュールであった。なにせ土曜朝出て日曜朝帰ったのだ。しかも行きの飛行機の出発時間が7:05である。飛行機というものは当然ながら、出発時間に空港にギリギリに入ればオッケー、などという生易しいものではない。たとえ国内移動やヨーロッパ圏内移動でも、一応は一時間半前に空港に入っとけ、という指示が航空会社からなされるのだ。

とはいえ、それをバカ正直に守ろうとするとどうなるか。そりゃつまり5:35には空港にいろってことだ。私の家から空港までは間違っても歩ける距離とかではない。中央のVia Ugo Bassiから出る空港行バスの始発は5:20なのだ。そしてバスで空港までは30分と空港行きのバスのサイトに書いてある。これでは遅れず行っても5:50到着ではないか。つまり最初から5:35到なぞ無理に決まっているということだ。

私はそこで自宅までタクシーを呼ぶような軟弱者ではない。いや、その行為が軟弱なのかは知らないが、とりあえずそんな無駄な金は使わない。空港行バスなら片道5ユーロである。そんなもん当然空港行バスに決まっている。最初っからファイナルアンサーだ。ちなみにミリオネアのみのもんたお決まりのこのセリフ、イタリアでは「Accendiamo?」である。火をつけるとか、口火を切るとか、そんな意味の動詞だ。

しかも、自宅近くからUgo Bassiまでの20番のバスは始発が5時で、Ugo Bassiに付くのは5:24である。見事な接続の悪さ。つまり徒歩だ。徒歩で中央まで行けってことだ。朝早くにてこてこ歩いて。自宅からUgo Bassiの空港行バス停までは計ってみたところ、徒歩だと25分程度である。まあつまり自宅を出るのは4時台だ。ちょっと余裕をもって4:45に私は家を出た。

午前4時45分。これは東京でもまだこの時期、太陽が出ていない時刻だ。多分あと2時間くらいしないと出ない。ボローニャだと7時半くらいじゃないと出ない。ていうか朝じゃない。夜だ。確実に夜だった。

もちろん、そんな時間だからかなり寒い。そしてパリも多分ボローニャより寒いだろう、という予測からかなりの重装備で出かけた。何せ下はストッキングの上からカシミア入りのタイツを履いてヒートテックのハーフパンツ、さらにヒートテックの靴下まで装備してブーツを履き、上は半袖ヒートテック着てタートルネックのセーター、さらに半袖のセーターワンピースでダウンジャケットである。もっこもこですよもう。もこもこです。ちなみにダウンジャケットは、裏にこないだ自力でポケットつけたので、財布もインできるという優れものであります。

この状態でてけてけと歩いていると、朝早くなんだか夜遅くなんだかわからないが、スーパーの商品の入ったでっかいトラックを運転してるおっちゃんたちに会う。仕事に精を出す、かなり強面な彼らはしかし、笑顔で「Bongiorno!」と挨拶してくれた。いい人たちだ。車など彼らのものくらいしかないので、信号の存在が無意味である。サクサク歩けた。

さくさく歩けすぎて停留所に着いたらまだバスが来る20分前だった。歩いてるときより止まってるときのほうが寒いので、20分ここで待つってのはなかなかこたえる。そのへんを意味もなくぐるぐる回ってみた。そのうち、お仲間らしき荷物の多いフード男がやってきて、煙草を吹かしはじめる。待ってるうちにちょっと気になって、バス停に表示された空港までの時間を見てみてギョッとした。

「市内のエリアから空港まで1時間


……大事件である。サイトに30分て書いてあったじゃないか。何てこった。5:20発で1時間て。到着6:20だよ。ゲート通るタイムリミット6:35って書いてあるんですけど。大丈夫ですかそれ。

サイトを信じるべきか、この表示を信じるべきか。この表示を信じるなら、タクシー通ったときにつかまえて乗ったほうがいい。どうするコレ、と非常に悩んだものの、30分と1時間なら間とって45分くらいだろう、と結論づけて待ってみることにした。しばらくしてバスが着いたので、運転手に何分かかるか聞いてみたところ、「わかんないけど45分ぐらいだと思う」という返事をもらう。やっぱり間か。運転手よお前も間をとってきたか。

そんなわけでどきどきしながら乗ってみたのだが、これまたちょっと困ったことが起きる。そういえばボローニャ空港ってターミナル2つなかったっけか。国内線と国際線の2つだったはず。このバス両方止まるのかな、ていうかいつ降りんのコレ、アナウンス的なもん一切ないけど、とちょっと不安になって、途中の駅で隣の席に座った、旅行にしては妙に軽装のおじいちゃん(おじさん……?)に、「エールフランスでフランス行くんだけど、どこで降りればいいか知ってますか?」って訊いたら、「最後で降りればいい、大丈夫、自分も空港行くから連れてってやる」と言われる。ありがとうおじさん。

しかし彼があまりにも軽装なので、このカッコならひょっとして国内移動かな、ならターミナル違ったりしないかなあ、けどあんまりこの人イタリア人っぽくない、っていうかちょっとヨーロッパっぽくない顔立ちだな、国際線か、いやしかし、とかいろいろ考えてしまい、失礼ながら彼の答えが正しいのか不安を覚えたため、もうアレだどこ行くか聞こう、って思って訊いたら予想外の答え。

「旅行じゃなくて、自分は空港で働いてるから」


……何ということでしょう! なら間違いないわ! 心配ゼロだわ! ていうかゴメン自分で訊いといて疑って! ホントごめん! まことにありがとうございます!

ちなみに彼はペルー人で、運良くこっちで仕事を手に入れることができたんだ、と言っていました。だから顔立ちが違ったんだね。そんな会話の後、しばらくしてバスは空港へ到着。所要時間についての結論は35分であった。何その中途半端さ。でも結果オーライ。

そしてペルー人の彼は私を連れてエールフランスのカウンターまで軽快な足取りで空港内を行く。追いかける私に、彼はわざわざチェックインの場所だけでなくゲートの場所まで説明してくれた。超ありがとう。よいお仕事を!

そして無事チェックインを済ませ(行きのぶんはwebでチェックインを済ませていたが、アリタリアのカードをカウンターまで持っていってマイレージをつけてもらわねばならないのだ)、荷物チェックも非常にゆるい感じで終わって、ゲート前で待機。少し余裕があったので、朝ご飯を食べようと思ったが、甘くないパンのシリーズが巨大すぎて全く食べる気にならないため、一番小さい袋のスナック菓子を買おうと思ってみていたら、面白いもの発見。
朝ご飯

ご覧の通りルパン3世付き。ちょっと素敵。
こっちでルパンはかなり人気があります。

イタリアには80年代から日本のアニメ・漫画が入ってきてるそうで、
結構いろんなアニメや漫画のタイトルを普通の人が知ってます。


そんなわけで本日の朝食はこれと水。あとは飛行機の中でもらった小さなパンでした。さすがにエールフランスというべきか、飛行機でくれるパンなのに結構おいしかった。

飛行機の中では乗ったとたんに爆睡して、いつ飛び立ったのかも思い出せない勢いでした。そりゃ寝るよね。4:45に家出るって、つまるとこ3:30くらいに目覚ましかけてるからね。前日寝たの11時くらいだったしね。早く寝ようと頑張ったんだけど限界があったよ。

それから2時間ほどでもう飛行機はフランス着陸。早いねー。ちょっと目が覚めたときに窓の外を見たら、美しい雪の山脈と朝焼けが……あれはアルプスだったのだろうか。


さて、パリに着いてすぐ、ツーリストインフォメーションに向かって残念なくらい言葉の壁にぶつかってきた私でありますが、この続きはまた明日に時間があれば。フランス到着まででだいぶ時間を使ってしまったので、今日は寝ます……。

PR

2009/11/28 00:00 | Comments(0) | TrackBack() | in Francia

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<パリ一泊 強行突破の珍道中 その2 | HOME | ぼんやりとした木曜日>>
忍者ブログ[PR]