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2024/05/20 05:31 |
中学受験と友人を思い出さずにいられない2月初日
2月1日といってやはり一番最初に思い出すのは中学受験である。なにせ自分も中学受験をしたクチだし、大学に入ってからは中学受験生を塾で個人指導していた。ボローニャ来る直前まで塾の先生をやっていたのだから、これはどうしても思い出してしまう。うちの塾の今年の戦績はどうだったんだろうか。そして中学受験を思い出すとともに頭の中に描かれるのは、中学からの友人Uの顔である。2月1日生まれの締まり屋の友は元気に年を重ねただろうか。当日おめでとうメールし忘れたけど。

まあそんな2月1日、この日は第二期の講義の初日だった。これは楽しみにしていた現代美術史の講義で、モダンからコンテンポラリーまでカバーするものだ。11月から受けていたものとはまた違う。校舎自体も違う場所にあり、ちょっとドキドキしながら講義室に向かった。

まず一言。講義室がでかい。150人収容の部屋、これいつから建ってるんでしょう。石造りの立派な建物で、壁にところどころ古いフレスコ画が残っている。こんどちゃんと年代確認しよう。天井も高めなので、声が響くのはいいんだが、ちょっと反響するからレコーダーで録音しにくい。そしてそんな教室にあふれる学生。後ろの方いたら絶対講義聞こえねえっていう危機感からかみんな前から詰めてくる。教壇の周囲の地べたに自主的に座る者たちも多数。この寒いのに地面座んの自殺行為だと思う。前から2列目真ん中を陣取ってみたが、これは次回から1列目座った方が良さそうだ。何せ正面右端に明らかに不安を呼ぶ一品がある。

そう、このでかい部屋の一番前、教壇横にイーゼルみたいなもんで立ってる謎の巨大レポート用紙。巨大レポート用紙、っていうか模造紙サイズの紙をレポート用紙みたいにしてあるっていうか……A1サイズくらいの方眼の白い紙がドーンとおいてあるわけだが、こんなもんに字でも書かれようもんなら私の視力ではコンタクト入ってても4列目あたりから視認が怪しい。アレ1枚に一文字ならよかろうが、それはあり得ないだろう。1枚に一文字書いてそのへんの学生が1枚ずつ持って文章作るとか、そんな愉快なことがあってたまるか。おいてあるからには多分書いて使うんだろうが、せめて大きめの字でお願いします、と言うしかない。あと読みやすいブロック体でお願いしたいところだが、それはまあ望めないだろう。

さて、しばらくして講義室に堂々たるおばさんとおばあさんの間の女性が現れた。結構な恰幅の良さだが、彼女はお洒落である。系統としてはヨウジヤマモトみたいな感じ、でも多分、その系統の違うブランドだ。はっきりした暖色と黒のとりあわせが好きっぽい。現代美術を教える者としては非常にわかりやすいというか、感じでてるというか、そういう人。ボルゴジェッリ先生である。大学のサイトの写真が若すぎるんじゃないか、という疑問が心に浮かんだが、それにはそっとフタをしておく。若い頃の彼女は、かなりの美人だったと思われる。今もなかなかの迫力だ。

さらにボルゴジェッリ先生の後ろに5名ほどの研究者らしき男女が続く。これまたいろんなのが入り交じってる服装だ。心に残ったのはアメリカンな革ジャンで髪おったててる女性である。賭けてもいい。この人、絶対モダンじゃなくてコンテンポラリーやってる。それもかなり現代。戦後。と見た目で力いっぱい判断してしまった。ちなみにあとで正解だとわかった。

教壇を横いっぱいに使って全員が座り終えたところで11時10分。ボルゴジェッリ先生、「まだ5分あるわね」と呟く。この講義は11時からなので、まあ、つまりは11時15分から始まる。『アカデミックな15分』というやつだ。我らがG大では、K先生が実践しておられたイメージがある。ていうか言ってたし。「15分遅く始めて早めに終わるのがスタンダード」って。日本の大学では間違いなくスタンダードではないが、K先生はウイーン基準なのでそれでよし。おかげでイタリアで講義受けてもいつも通りな気分ですK先生。

と、まあそこから5分、ざわざわした時間が流れた。15分きっかり、ボルゴジェッリ先生がマイクをとる。話し始める彼女の声は、気持ちよくつぶれている。低く押し出しの強い声。渋い。彼女にはよく似合っている。しかし個人的に最も聞き取りにくい類の声である。それがこれまた素晴らしいスピードで話してくれるものだから、当然ついていけない。これはレコーダーの遅聞き機能が大活躍しそうだ。大活躍してもわかるか保証なし。敗北感。

彼女はこの講義の概要を語り、途中ちょっと未来派に熱くなった。1時間ほど彼女のオン・ステージが続いて、それから周囲の若手の方達(といっても若くない方もいた)にマイクをバトンタッチ。一人ずつ、自分の専門とそのあたりについてかいつまんだ話をする。一人10〜15分くらいだったろうか。講義は、ボルゴジェッリ先生が基本の流れを解説し、まわりの研究者たちが自分のテーマでちょっと掘り下げた内容を説明してくれる、という形になるようだ。面白そう。ちなみにこのとき、革ジャンの女性は現代のビデオ・アート専門であったことが判明。アメリカ方面のようだ。実にわかりやすい!

と、そんな感じで講義と先生の紹介のような内容の初日は終わり、懸念された模造紙レポート用紙に文字が書かれることはなかった。明日からの問題なのだろう。引き上げるとき、一応聴講してもいいか先生に聞いておいた。勿論オッケーだそうだ。よかった。もうちょっと内容近づいてきたら今度ricevimentoの時に会いにいってみよう。

で、講義後、歩いてマッジョーレ広場まで出てバスで帰る。このへんちゃんと歩いたの始めてかも知れない。なかなか風情のあるよいところだ。このへん住みたい。

自宅について、昼を用意して食べたら、なんだかつかれてしまった。やっぱりまだちょっと体調戻ってないかもしれない。少し寝て、起きて、洗濯して、本読んで、夕飯食べて、寝た。


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2010/02/01 00:00 | Comments(0) | TrackBack() | a Bologna
マジンガーZで終わる2010年1月 〜兜甲児は悔やまない〜
さて、9時半ごろ目が覚めたら雪が降っていて、かなりの勢いでフワーッとやる気をなくし、もう一回布団に入ろうかと思ったがそこは我慢して、とりあえず軽い掃除と全力の洗濯をこなしたら11時だった。やっぱり雪が降っていた。ダメだ、これは外に出る感じじゃない、家にいる感じだ、ハメハメハ大王だって間違いなくお休みだ、という判断を下し、12時からの映画の方はスルーすることにした。

その後、風呂に入って朝昼兼用の飯を終え、眠気対策としてひたすら先日の日記(先日である時点でそれはもう日記ではない、というツッコミは一切受けつけていない)を打っていたわけだが、まあやっぱり16時の時点で睡魔VS私の決戦は睡魔に軍配が上がり、1時間だけおやすみなさいすることにした。なんで17時までのお休みかというと、それはつまり『真マジンガー衝撃! Z編』(18時15分よりPalazzo Re Enzoにて上映)に間に合うためであり、上映中に睡魔を寄せ付けないためであり、寝すぎるとまた夜中眠れなくなることをふせぐためである。明日から新しい講義に顔を出す予定なので、さすがに夜寝られないのはツラい。

無事に1時間で目覚め、フル防寒装備で外に出る。人生でこれだけジーンズの下にいろいろ履いた経験はさすがにない。幸い雪はやんでいた。しかし前の雪が残ってるときに次の雪に降られると地面がエラいことになる。めっしょめしょである。そして寒い。いかんともしがたく寒い。でも兜甲児を見ないで終わらせるわけにはいかないので、頑張って歩いてみる。

やっとついたPiazza Maggioreで力いっぱい迷う。そもそもPalazzo Re Enzoってどれでしたっけ。この広場、建物だらけなので(なんという風情のない言い方か)どれがどれかわからなくなる。個人的に確実なのは聖堂とsala borsaだけだ。あとの建物の名前を私はまだ完全に覚えていない。が、今回のマジンガーZのおかげでPalazzo Re Enzoを覚えた。人が吸い込まれていくのを見ていたらどこだかわかった。ありがとう兜甲児。

建物の中に入り、てけてけ歩いていたらM.A.さんと会う。久々だ。最初、2人ともチケット売り場がわからず、間違えてパナソニックの3Dテレビの宣伝(って言えばいいのかどうか……)をやってる部屋に入ってしまった(ちなみにコレ、映画のあとで見て帰ったけど結構面白かった。かなり飛び出てた)。中の人に、映画なら上の階だと思う、と言われて階段を上ると、ありましたチケット売り場。今日はHERAのクーポンを持っているので1ユーロである。映画祭をバックアップ(という言い方で正しいのかは知らない)している水道会社(だと理解しているが、詳しくは不明)のクーポンで、この会社のサイトにあるフォームにちょいちょいっと書き込んで送ると返信メールが来て、それを印刷すれば7ユーロのチケットが1ユーロになるという、すばらしいクーポンである。Oさんに昨日教えてもらうまでイマイチこれの仕組みがよくわかっていなかったので、『ホッタラケ』のときにはバカ正直に7ユーロ払ってしまった。それでも日本で映画見に行くより安いんだけど。

チケットを入手し、まだ時間があったので売り場内の展示をみたり、売ってる本をパラ見したりして時間をつぶす。ラテンアメリカのデザインの本があって、ちょっと面白かったので買おうか迷ったが、まあ買うほどではないかな、という判断を下して立ち読みにとどめた。ジブリの翻訳本もけっこう売っており、こちらでの人気を感じる。

しばらくして会場入口に向かうと、先ほどまで何もなかったのにすでに列ができている。なんだ、こんなにいたのかマジンガーZ見たい奴。どこまでわかっていて見にきているのかは謎だが、それなりの人数がそこにはすでに並んでいた。ほどなくして開場の時間となる。M.A.さんとともにOさんの分も含めて前の方の3席を確保。入口で謎の整理券を配られたが、あとでこれはくじ引きでプレゼントを渡すためのものであったことが判明した。もちろん当たらなかったのでどうでもいい。くじを引く役のちっちゃい男の子が可愛かった、というくらいだ。少ししてOさんが現れる。目に眩しいオレンジのダウンで。あったかそうでいいなあ。Oさん曰く、『夜道で絶対轢かれない』そうだが、確かにこれならそちらの心配もナシである。来年ああいうの買おうかな。

席でしばしの雑談ののち、会場の電気が落とされる。『真マジンガー衝撃! Z編』の1〜3話上映の始まりである。そもそもテレビでやったシリーズの1〜3話上映ってのがかなりおかしな話なのだが、マジンガーZを見たい私にはそんなことはどうでもいい。何はなくとも兜甲児である。

まず、第1話でシリーズ全体の総集編、というか、全ての話を無理矢理1話に詰め込んでコンニチハ、状態のものが流される。凄まじいまでの“イチゲンサンお断り”感。確実に多くのイタリア人はついていってないはずだ。現に1話終わって何人か帰った。子供つれて。そもそもこれ子供向けじゃない。微笑ましいロボットアニメとかじゃ全然ない。兜甲児が見たい人向けだから。ああーそれにしてもアシュラ男爵って楽しい造形だよな。アニメでしゃべったときに漫画で見るよりテンションだだ上がる造形ナンバーワンでしょう。ちゃんと男声と女声かぶりますから。

そして何よりも我らが兜甲児ですよ。今回タイトルにも入れてみた「兜甲児は悔やまない」ですが、ナレーション中で力いっぱい叫ばれてました。ていうかナレーションの力強さが半端ない。兜甲児の名前を一体何度聞いただろうか。ああーもう爆笑。いちいち笑いどころが多すぎてどこからツッコミはじめていいのかすらわからない。全国の番長がケンカ吹っかけに熱海に来るとこからか、バイクとパイルダーはそんなに運転の仕方変わらないってとこからか、光子力の元となる鉱石にジャパニウムっていうひねりのなさ過ぎる名前ついてるところからか、おなじみの『パイルダー……オン!』からか、それとも番長の『熱海がこんなに怖いところだったなんて……』からか。ダメだもうこれ笑い死ぬ。超面白い。見にきてよかった。

とはいえそう思ってた人はあまり多くないと思う。コレ初見でイタリア人そうは楽しめないと思う。でもとりあえず私の右斜め前方に悶えてるイタリア人1人発見。ちなみにミリオンα(?)の両胸のコクピットが後ろからわしづかみにされて壊れるとこで腹抱えて笑ってたよ……お前のツボはそこか。

見終わったあと、我々3人は全員笑撃のあまりどうしたらいいのやら状態だったわけだが、多分子供連れてきたイタリア人のご両親はもっとどうしたらいいのやら状態だったと思われる。いやーすごかった。

その後、バスで家まで帰って夕飯を食べ、お茶を飲んだのだが、そこでまあビックリするくらいの睡魔に襲われ、座ったままガックンガックン首降ってて、お茶のマグカップの上におでこのせるっていう地味に額が痛い事件が起こり、ぐったりしてもう寝てしまおう、ということで22時半には布団に入っていた。超健全。本当によく眠れた。兜甲児のおかげですありがとう。

2010/01/31 00:00 | Comments(2) | TrackBack() | a Bologna

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